テレワークの労務管理とメリット・デメリット

今回はテレワークについてお話したいと思います。

テレワークとは、「情報通信技術を活用して時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」とされています。

実は、このテレワークは働き方改革の一環として、国がその推進を図っていたところですが、ご存知の通り新型コロナウイルス感染拡大で、多くの企業が、テレワークに直面し、その導入の必要性に迫られているかと思います。

そのため、今回、皆様の少しでもお役に立てればと思い、テレワークについてのブログをお届けしたいと思います。

ただ、初めに1点お断りしておきたいのですが、テレワークですが、まだまだ新しい働き方です。

そのため、テレワークに関する問題点とかが全て解決しているわけではありません。

実際、私もこれからお話しする内容が、決して十分とは自分自身でも思っていません。

ただ、やはり、現在のような日本の現状を考えまして、少しでも皆様のお役に立てればと思い、現時点で可能な限りお役に立てる内容をお届けしていきたいと思いますので、是非、最後までお読みいただければと思います。

用語の解説 テレワークと在宅勤務何が違う?

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最初に用語の解説をしたいと思います。

先程から、「テレワーク」という言葉を使っていますが、インターネットとかマスコミ報道とかでは、「在宅勤務」や「サテライト勤務」といった言葉も使われています。

そのため、テレワークについて、まだまだ馴染みが薄い経営者の方にとっては、「テレワークと在宅勤務とは何が違うのだろう?」とか「一体どちらが本当なのだろう?」とか混乱している場合も多々あるかと思います。

ですから、まず用語を整理したいと思います。

元々、「テレワーク」は、英語の「tele」と「work」 この2つの言葉から成っていまして、teleは「離れた場所」を意味し、workは「働く」です。

従って、テレワークとは、「離れた場所で働く」を表現する言葉です。

では、「離れた場所」とは、どこから離れた場所なのでしょうか?

これは、オフィス、会社です。

つまり、テレワークとは、「会社から離れた場所で働く」という意味で使われています。

それに対して「在宅勤務」とか「サテライト勤務」は、テレワークの1つの種類となります。

つまり、テレワークという言葉が総称で、テレワークの種類として、在宅勤務やサテライト勤務、モバイルワークがある、このような位置付けになります。

在宅勤務等について若干ご説明しますと、在宅勤務というのは、文字通り仕事を自宅で行うこととなります。

サテライト勤務は、仕事をする場所が自宅ではなく、自宅近くのレンタルオフィスや貸会議室の自宅以外の場所で仕事をする形態を言います。

モバイルワークは、顧客先とか移動中等にタブレットとかスマホのような通信機器を利用して仕事をする形態を言います。

もしかして、今後、これ以外の新しい形態が出て来るかもしれませんが、現在においては、一般的にテレワークと言ったら、この3種類が挙げられるかと思います。

ところで、テレワークの中で最も中心的になってくるのは、やはり、在宅勤務と言えますので、今回お話する内容は、在宅勤務を前提にしてお話していきたいと思います。

テレワーク導入する際の注意点

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次にテレワークを導入する前に、注意すべき点をいくつかお話したいと思います。

テレワークは、先程も言いましたように会社以外の場所で働く形となります。

元々、従業員を雇用する場合に雇用契約を結びますが、雇用契約の内容には働く場所は、当然、会社になっているケースが多いと思います。

ところで、テレワークは、会社以外の場所で働くわけですから、雇用契約の内容が変わってきて、働く場所が変わるわけですから、当然、これは、異動とみなされます。

従って、当初の雇用契約とは違う場所で働くことを、会社が命じるわけですから、異動させる根拠が必要になってきます。

一般的に言う就業規則の異動規定です。

従って、従業員にテレワークを命じる際には、異動規定が必要となってきます。

本来で言えば、この異動規定の中に「テレワークを行う場合もある」というようにテレワークと具体的に明記しておけばベストですが、今回の、新型コロナウイルス感染はあまりにも急速に拡大したことと、先程も言いましたように、このテレワークが、まだまだ新しい働き方ですので、就業規則にそこまで規定している会社も少ないかと思います。

ところで、多くの会社の就業規則の異動規定の中には、「配置転換」というような言葉が、記載されている場合が多いと言えます。

広い意味で言えば、このテレワークも配置転換に該当するかと個人的には思いますので、仮にテレワークという具体的な言葉が異動規定に記載されていなくても、「配置転換」を根拠にある程度は対応できるかと思います。

ですから、テレワークという言葉の記載が無いから、テレワーク、在宅勤務させられないのか?そこまでは考えなくても良いのではないかと思います。

ただ、今後、テレワークを続けていくのであれば、やはり、就業規則にしっかりと、テレワークという言葉を記載しておくことも重要ですし、後でお話しますが、テレワークは通常に会社内で働くのとは違った形態となりますので、労働時間の管理等についてルールを決めることが必要となってきます。

従って、テレワークに関する規定を整備していくことが、まず重要となります。

さらに、今お話した規定に関することですが、テレワーク行うには、パソコンとかタブレット等の通信機器を使い、インターネットやWi-Fiを利用する形となります。

当然ですが、通信料が発生することとなります。

しかし、通信回線は、自宅ですから従業員所有のものとなります。

もし、従業員自身の通信回線を使うのであれば、その負担割合をどうするか?そのような事項も決めておく必要があります。

ですから、テレワークを導入する前には労務管理だけでなく、それ以外のことについても取り決めする必要がありますので可能な限り、どのようなことが起こる可能性があるのか?洗いざらいに検討する必要があります。

テレワークは、導入する前に、起こり得る様々な問題等を想定して、検討することが重要なポイントと言えます。

テレワークの労務管理s_startup-593327_640.jpg

次に、テレワークの労務管理についてお話したいと思います。

「テレワーク」という言葉を聞くと、何か「特別な」というイメージを持たれる方も多くいらっしゃるかもしれません。

在宅勤務の場合、「自分の家で働くわけだから、通常に会社内で働く場合より、少し労働条件が劣っていても良いのではないか?」というような印象を持たれるかもしれません。

実際、在宅勤務の場合、休日に自宅で労働をするようなイメージを持たれる経営者の方も、結構いらっしゃるようです。

しかし、テレワークに関して、労働関係に関する法律では、特段の定めをしているわけではありません。

これは、どういうことかと言いますと、たとえ、テレワーク 在宅勤務であったとしても、その従業員に対しては、通常に社内で働く従業員と全く同じ法律が適用されることとなります。

例えば、従業員に適用される主な法律として以下のものがあります。

① 労働基準法

② 最低賃金法

③ 労働者災害補償保険法(労災保険法)

④ 労働安全衛生法

これらの法律は、たとえテレワーク 在宅勤務であったとしても、通常の従業員と全く同じように法律が適用されます。

ここは、すごく重要なポンとですので、1つずつ少し細かくご説明したいと思います。

労働基準法

まず、労働基準法ですが、テレワーク 在宅勤務に従事する従業員であったとしても、当然に法定労働時間が適用されます

従って、1日8時間、1週間 基本的に40時間超えて労働させることができません。

もし、法定労働時間を超えて労働させるのであれば、36協定の締結が必要となります。

次に、休憩時間ですが、テレワーク 在宅勤務の場合、休憩時間について意識されない場合が考えられますので注意が必要です。

テレワーク 在宅勤務の場合、自宅で仕事しているわけですから、通常に会社で勤務するよりも緊張の度合いが低いだろうから、別にあえて休憩を与えなくても良いのではないか?と思われるかもしれませんが、休憩に関しても通常の従業員と全く同じ適用となります。

ですから、たとえ、テレワーク 在宅勤務であったとしても、1日6時間を超えて労働させる場合には最低でも45分以上の休憩が必要となります。

また、先程もお話しました法定労働時間を超えて労働させた場合には、労働基準法で定められた割増率の割増賃金の支払いが必要となります。

さらに、働く時間帯が深夜(午後10時から翌朝午前5時)に及んだ場合には、割増賃金の支払いが必要となります。

ところで、深夜労働に関しては、注意が必要となります。

後でお話しますが、テレワーク 在宅勤務の1つのメリットとして、従業員が育児、介護中であっても働きやすいことが挙げられます。

特に育児の場合、お子さんが寝静まった後に仕事が可能となりますので、育児中の従業員にとってはメリットが大きいと言えます。

ただし、働き始める時間が遅くなれば、深夜の時間帯にかかってくるケースは多々考えられます。

その場合には、当然、深夜割増の支払が必要となってきますのでご注意下さい。

最低賃金

次の最低賃金ですが、繰返しになりますが、テレワーク 在宅勤務に対する認識として、休日に自宅で仕事をするというイメージからすると、普段の仕事より給料が少なくても良いのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、テレワーク 在宅勤務であっても、通常の労働者と全く同じに最低賃金法が適用されますので、当然に最低賃金額以上の給料の支払が必要となります。

労働者災害補償保険法(労災保険法)

労働者災害補償保険法(労災保険法)については、少し意外に思われるかもしれませんが、テレワーク 在宅勤務であったとしても、労働者災害補償保険法の対象となります。

従って、自宅勤務であっても、その業務が原因で怪我等をした場合には保険給付を受けることができます。

例えば、自宅で業務関係の郵便をカッターで開封している時に、誤って自身の手を切ってしまった場合や、取引先への振込を行うために、自宅近くの銀行へ行く途中、事故に遭ってしまったケースが考えられます。

労働安全衛生法

最後に、労働安全衛生法ですが、元々、この法律は、労働者の安全と健康を会社が守ることを定めている法律です。

従って、当然、在宅勤務であったとしても、会社には当然その労働者の健康管理の義務が出てきます。

もちろん、在宅勤務の場合、会社に居る時と同じようなことは出来ないにしても、少なくとも全くやらなくて良いということにはなりません。

特に在宅勤務の場合、長時間労働になりやすい面がありますので、特に注意が必要となります。

労働安全衛生法に関してもう1点、注意すべき点が健康診断です。

仮に、在宅勤務が主な勤務形態になった場合に、1年に2年続く場合も考えられます。

労働安全衛生法では、常時雇用する労働者に対して、少なくとも年に1回健康診断を受けさせる必要があります。

ですから、テレワーク 在宅勤務であったとしても、当然、年に1回健康診断を従業員に受けさせなければならないのは変わりません。

このように健康診断にもご注意していただければと思います。

繰返しになりますが、テレワーク 在宅勤務というのは、確かに新しい働き方の形態ですが、それに従事する従業員に対して法律が何か特別な例外規定を設けるということは、現時点では全くありません。

ですから、通常の労働者と同じ視点で労務管理を行うことが、テレワーク 在宅勤務を行う際に最も重要なポイントとなりますので、正しくご理解していただければと思います。

労働時間の管理について

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次に、労働時間の管理についてお話したいと思います。

実は、テレワーク 在宅勤務において、労働時間の管理が最も重要な問題になってくるかと思います。

というのは、労働基準法で、会社に従業員の労働時間を管理する義務を課しています。

通常、従業員が会社に出社すれば、タイムカードを押したり出勤簿を付けたりするわけですから、労働時間の管理は比較的容易にできると言えます。

また、勤務時間中も、従業員は、実際に出社しているわけですから、どのように仕事をしているのか、というのは上司や同僚も目にすることができるわけですから、「本当に仕事をしているのだろうか?」ということは、特別考える必要ありません。

しかし、テレワークの場合、自宅やレンタルオフィス等の会社以外の場所で仕事するわけですから、タイムカードや出勤簿を付けることは出来ません。

また、勤務中も上司や同僚の目に触れることはまず無いこととなります。

となれば、テレワーク中の労働時間を管理するには、そこには何らかのルールや新しい方法というものを模索していく必要があります。

出社退社時間の管理については、パソコンを立ち上げた時間を出社時間とし、パソコンを切った時間を退社時間とするシステムを利用すれば、出社退社の時間に関しては、ある程度把握が可能となります。

しかし、実際の業務中の労働時間の管理を行うには、何らかの対策、ルール作りが必要になってきます。

例えば、少なくとも1日2回業務報告を上げるとか、随時、業務の進捗状況報告をするとか、そのようなルール作りを考える必要があります。

ここは「ある程度従業員の善意に任せる」と面は否めないと言えますが、ただ、最低限のルール化は必要となってくると言えます。

裁量労働時間制

ところで、労働時間が算定することが難しいというのは、従来の働き方の中でも見受けられていたため、労働基準法でも、労働時間の算定が困難なケースを想定して、いくつか規定が定められていますので、ここではそれらの規定についてご説明したいと思います。

最初に、裁量労働制についてお話したいと思います。

裁量労働制は、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2つがあります。

ここではそれぞれの制度についての説明は割愛させていただきますが、多くの場合、利用されるのが専門業務型裁量労働制となります。

専門業務型裁量労働制は、新商品や新技術の研究開発や新デザインの考案といった、主に仕事の結果を重んじる業務に対して用いられています。

専門業務型裁量労働制を採用した場合には、その従業員の普段の労働時間やその従業員が行うべき仕事を完成させるために必要な時間等を考慮し、あらかじめ1日の労働時間を決めて、そしてその決めた労働時間を働いたとみなす制度です。

ですから、在宅勤務を行う場合に、裁量労働時間制を採用できれば、仮に1日どのように業務を行っていたかを報告させなくても、あらかじめ決められた時間働いたとみなすことができるため、1日の労働時間の管理についてある程度柔軟に対応できる形となります。

ただし、専門業務型裁量労働制は、先程も言いましたように結果を重んじる業務を対象に作られた制度ですので、この制度の対象となる業務が限定されています。

対象業務につきましてはこちらのリーフレットの2ページ以降をご参照下さい。

>>専門業務型裁量労働制の適正な導入のために(厚生労働省)

従って、対象とならない業務は、当然専門業務型裁量労働制を適用することができないこととなります。

例えば、総務や経理のような業務は、専門型業務型労働制の対象とはならなくなってきます。

事業場外みなし労働時間制

今、お話したように、専門型業務型労働制は、テレワーク 在宅勤務時においては、使い勝手が良いところがありますが、業務が限定されているため、対象業務以外であってもテレワーク 在宅勤務が行われる可能性は十分考えられます。

実は、労働基準法では、労働時間が算定することが難しい場合の特例として、別に事業場外みなし労働時間制という制度を規定しています。

では、これから事業場外みなし労働時間制についてご説明したいと思います。

事業場外みなし労働時間制は、元々、事業外という名の通り、社外で働く労働者のために作られた制度です。

例えば、営業社員の場合、一度営業に出てしまうと、どのように仕事をしているか、わかり難いため、「あらかじめ決められた時間」を働いたとみなします、という考え方です。

この制度自体は、業務に限定がありませんので、先程言いました経理とか総務の場合であっても、利用することが可能となります。

ただし、この事業場外みなし労働時間制を利用するには、条件が3つあります。

そのうちの1つが、事業場外ですから、当然、会社外で勤務しているということが前提となってきます。

テレワークの場合、元々、「会社から離れた場所で働く」という概念ですから、この条件は、問題無いかと言えます。

2番目の条件としては、「会社の指示でパソコンが常時通信可能状態ではない」ことが必要となります。

「常時通信可能状態」というのは、従業員が1日中パソコンの前に座っていて、会社からメールが来たら、すぐに返信しなければいけないとか、常に会社と通信回線が繋がっている状況を言います

つまり、常時通信可能状態であれば、逆に会社から常に指示命令を受けているわけですから、あえてみなし労働時間制を適用する必要はないこととなります。

従って、事業外みなし労働時間制を適用するには、常時通信可能状態ではない、必要があります。

ところで、実は、この常時通信可能状態ではないという条件を満たすのは、そんなに難しいことではないと言えます。

というのは、テレワーク 在宅勤務の場合、通常は、好きな時間にトイレに行ったり、休憩したりとある程度時間を自由に使うことができるケースの方が、圧倒的に多いと思います。

このように、ある程度パソコンの前から自由に離れることができれば、常時通信可能状態には該当しないとされているため、この2番目の条件をクリアするのもそんなに難しくないと言えます。

問題は、これからご説明する3番目の条件となってきます。

3番目の条件は、その従業員の業務が、随時会社の指示命令によって行われていない必要があります。

これはどういうことかと言いますと、先程もお話しましたが、この事業外みなし労働時間制は、社外で働くため労働時間の管理が難しい業務を対象に作られた制度です。

1番分かりやすい例が、営業社員で、特に新規開拓をするケースなのですが、新規開拓の営業社員の場合、一度会社から出てしまえば、新規開拓ですから、訪問先は、どうしても行き当たりばったりとなってしまうケースが多いと言えます。

会社とすれば、「今日は何処を営業で回っているのか?」「どんな相手とどのような商談をしているのか?」など1日の行動を把握し難いところがあります。

元々、このようなケースを想定して、事業場外みなし労働時間制度が作られた前提がありますので、常に会社の指示を受けて業務をしているのであれば、事業外みなし労働時間制には、該当しないという考え方があります。

例えば、経理とか総務 このような業務の場合でも、総務で言えば「今日はこれだけの人数の保険手続きをして下さい」とか、経理で言えば「今日は、ここまでは帳簿を打ち込んで下さい」とか、会社から指示されるケースが多いかと言えます。

となると、この点で事業外みなし労働時間制の条件に当てはまらなくなってくる可能性が考えられます。

もし、事業外みなし労働時間制も使うことができないのであれば、何らかの形で労働時間を管理する必要が出てきます。

いずれにしても、テレワーク 在宅勤務における労働時間の管理は、やはり、テレワーク、在宅勤務おける労務管理の中で最も重要なポイントとなりますので、ここは十分な検討が必要になってきます。

テレワークのメリット・デメリットについて

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ここでは、テレワークのメリットとデメリットについてお話したいと思います。

まず、メリットですが、メリットは会社にとってのメリットと従業員にとってのメリットとそれぞれ考えられます。

主なものを挙げてみました。

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実はこれは、厚生労働省がテレワークに関するパンフレットを出しておりまして、非常にわかりやすい内容でしたので、そこから抜き出してみました。

このパンフレットですが、非常にわかりやすいので参考になるかと思いますので、是非、ご参考になさって下さい。

>>「自宅でのテレワーク」という働き方 (厚生労働省)

テレワーク 在宅勤務のメリットとして、会社側から見たメリットと従業員側から見たメリット、4つほどそれぞれ挙げてありますが、会社側から見たメリットとしては、1番目書いてあります「災害時などでも業務が継続できる」が、まさにテレワークの最大のメリットと言えます。

災害時と書いてありますが、コロナウイルス一種の災害と言えますが、今回のような非常事態の中で、感染拡大を防ぐには、従業員に自宅待機してもらうのが有効です。

しかし、単に自宅で待機しているだけでは、業務が滞ってしまいます。

従って、このような場合であっても、自宅あるいはサテライト等で業務ができれば、会社に出社できない事態であっても、ある程度は業務を続けることができるわけです。

これは本当にテレワークのメリットだと思います

ところで、これは会社のメリットとして書いてありますが、実は、これは従業員にとっても大きなメリットとなのです。

というのは、テレビや新聞等で報道されていますが、今回のコロナウイルス感染拡大によって、会社が営業を行うことができないため、多くの従業員が休業を余儀なくされています。

従業員が休業を命じられる場合、労働基準法によって、最低でも平均賃金日額の6割の休業手当が保障されていますが、多くの場合給料額は減少してしまいます。

これは、従業員にとっては大きな痛手になりますが、まだ休業手当が支払われるならば、生活は何とかなるかもしれません。

残念ながら、多くの企業では解雇せざる得ない状況となっていて、多くの従業員が路頭に迷ってしまっているのが実情だと言えます。

しかし、今回のような事態でも、テレワークであれば自宅等で仕事ができます。

先程も言いましたように。テレワークであっても通常の従業員と全く同じ法律の適用を受けますので、従来の給料をもらうことができる権利があります。

ですから、災害時でも業務が継続できるというのは、会社側ももちろんですけど、従業員にとっても大きなメリットがあると言えます。

あと、会社側からとしては、4番目にありますが、テレワーク 在宅勤務を行えば、通勤手当の支払いが必要なくなり、会社としては経費削減に繋がる効果が期待できます。

一方、従業員側からのメリットとしては、やはり、1番上に書いてあります育児や介護後、自分が病気を持っている場合であっても、業務を行うことができることが大きなメリットと言えます。

これは、容易に想像がつくかと思いますが、やはり、小さいお子さんを抱えている従業員やご両親等を介護している場合、なかなか思うように会社に出社して仕事ができないケースというのも多々あります。

そういう場合に、テレワーク 在宅勤務であれば、働きやすい環境であり柔軟に働くことができます。

これは、本当にテレワーク 在宅勤務の大きなメリットです。

また、2番目に書いてあり、会社側のメリットにもありますが、テレワーク 在宅勤務では通勤がなくなります。

通勤に関しては、会社側からすれば経費が減ることがメリットとなりますが、従業員からすれば、時間に余裕ができます。

実際、大都市圏では通勤時間に1時間半 2時間かけて通っている従業員も多々います。

仮に片道1時間30分かけて会社に通っていれば、毎日3時間時間的ゆとりができるわけです。

これも従業員にとっては大きなメリットと言えます。

このように、テレワーク 在宅勤務には、大きなメリットがあります。

ところで、テレワークは、国が推進している政策でもありますので、先程ご紹介したパンフレットには、実は、デメリットに関しては一切書いてありません。

しかし、どんなものでもメリットもあればデメリットもあります。

当然、私は、テレワーク 在宅勤務にもデメリットもあると思います。

では、今度は、テレワーク 在宅勤務のデメリットについて考えみたいと思います。

ところで、今、「デメリット」という言葉を使いましたが、実は、私は、これからお話する内容は、必ずしも「デメリット」という言葉を使うのが、正しくないのかもしれないと考えています。

ここについては、後ほどお話したいと思います。

では、デメリットとしてどんなものが考えられるかについてお話していきたいと思います。

まず、先程も少しお話しましたように労働管理を行っていく上で時間の管理が難しくなり、それに伴い、会社も従業員も手間が増えることは否めないと思います。

例えば、労働時間を管理するとして、1日何回か業務報告を出させることをルール化した場合に、従業員からすればテレワーク 在宅期間中は業務報告を書かないといけなくなります。

会社側からしても、経営者、上司は、その業務報告を読む必要があります。

テレワーク 在宅勤務に従事する人数が1人、2人なら大した時間も必要ないかもしれませんが、20人、30人となってくれば、上司の方も相当な時間を取られます。

しかし、時間を管理していくには必要なこととなってきます。

テレワーク 在宅勤務は、通常の勤務とは違うところがありますから、労務管理における難しさ、そしてそれに伴う手間が増えてしまいます。

さらに、テレワーク 在宅勤務におけるデメリットとして、評価において問題が起こる可能性があります。

これは、どういうことかと言いますと、テレワーク 在宅勤務の場合、日々の仕事の過程が会社側からなかなか見え難いところがあります。

そのため、その従業員を評価するとなると、どうしても仕事の結果によって評価される可能性が高くなります。

ただ、我が国では、仕事の過程に対しても評価の対象としている企業も多くあります。

ですから、テレワーク 在宅勤務の従業員を評価する際に、結果だけで評価すると必ず不公平が出てくる可能性があります。

もし、仮に同じ業務をテレワーク 在宅勤務で行っている従業員と通常通り会社内で行っている従業員がいた場合、社内で業務を行っている従業員の近くには上司がいるわけですから、その従業員の頑張りが見えるわけです。

テレワーク 在宅勤務の従業員も社内で働く従業員も同じように深夜まで働いていたとしても、社内で働く従業員の場合には、仕事の様子が見えるわけですから、過程が分かっている従業員の方を評価したくなるというところは、やはり、心情的にあるかと思います。

しかし、テレワーク 在宅勤務の従業員からすれば、それは非常に不公平感を覚えてしまいます。

ですから、テレワーク 在宅勤務を行う場合には、その従業員をどのように評価をするか、不公平感を覚えないような評価方法を構築する必要があります。

このようにテレワーク 在宅勤務には、デメリットとして評価において不公平感、不信感が生まれてしまう可能性が考えられます。

そして、3番目にコミュニケーションの問題があります。

実は、これは、私が新聞で読んだのですが、その新聞には、令和2年のゴールデンウイーク後にコロナウイルスの感染拡大が一旦収まった後に、多くの会社がテレワークを止めて元の勤務体制に戻したという記事が載っていました。

その記事を読んで、「なるほど」と思ったのですが、元の勤務体制に戻した理由が、コミュニケーションの問題とのことでした。

当然ですが、仕事をしていく上では、いろいろなことを会社の同僚や上司、上司からすれば部下に聞くことは日常茶飯時にあります。

ところで、会社に居れば、相手もそこに居るわけですから、その場で聞けば、相手はすぐに答えてくれます。

しかし、テレワーク 在宅勤務の場合には、それをいちいち電話やメールで行わなければならなくなります。

しかも、電話をかけても出ないケースもありますし、メールをしてもすぐに返事が返ってこない場合もあり、上司なり部下が、同僚もそうでしょうが、それに対して非常にストレスを覚え、仕事がやりづらいと感じた従業員が非常に多く、その結果、会社にみんな出てきて、従来のようなやり方で仕事をする方が良い、ということでテレワーク 在宅勤務を止めて、元の勤務に戻す会社が多かったということです。

私の個人的な見解かもしれないですが、どうしても日本の会社においては、特にある一定の年齢以上の従業員にとっては、会社に出てきてみんなで一緒に働くということに、尊さを覚える風潮があります。

特にこのような風潮が根強く残って会社では、テレワーク 在宅勤務を行えば、社員同士のコミュニケーションに悪影響が出てしまう、というデメリットが考えられます。

ところで、今お話した風潮は、テレワーク 在宅勤務を阻害する要因のように思われますが、私は、そのこと自体は決して悪いことではないと思います。

会社によっては、「うちの会社は、みんな本当にコミュニケーションが良く取れていて、みんな本当に協力して一生懸命やってくれる。それが、うちの会社の強みです。」というように言われる経営者の方、いらっしゃると思います。

それはそれで良いと思います

ここで何を言いたいのかと言いますと、先程、メリットとデメリットについて、デメリットという言い方が、必ずしも正しくないかもしれない、と言いました。

実は、このブログを書いているのが、令和2年7月で、ちょうど、新型コロナウイルスの第2波により、東京都で初めて感染者数が300人を超えた前後です。

新型コロナウイルスが、どれくらい感染拡大していくのか?正直言ってわかりませんが、もし、新型コロナウイルスの感染がある一定レベル以下に収まるようであれば、私は、テレワークについてメリットとデメリットという考え方で良いと思います。

メリットとデメリットですから、メリットが大きいと感じる会社であれば、テレワーク 在宅勤務を積極的に導入すれば良いでしょう。

それに対して、先程のお話した会社のように、テレワーク 在宅勤務を導入したことにより、社員同士のコミュニケーションに問題が生じるなど、デメリットの方が大きいと感じるのであれば、あえてテレワーク 在宅勤務を導入する必要はないかもしれません。

しかし、もし、今後、新型コロナウイルスが感染拡大して、どの企業もテレワーク 在宅勤務の導入を余儀なくされた場合には、今度はメリットとデメリットではなくなってくるのではと思います。

どちらかを選ぶという選択肢は、無くなってしまうのかもしれません。

私が、先程、「デメリットという言い方が、必ずしも正しくないのでは」と言ったのは、もしかしたら、デメリットではなくて、問題点として意識していただいた方が良いのかもしれないと思っているからです。

つまり、デメリットをテレワーク 在宅勤務を導入するか導入しないかの判断材料として考えるのではなく、テレワーク 在宅勤務を行うときには、こういう問題点が発生するので、必ずその問題点を解決しなければいけない、といったスタンスで捉えた方が良いと思います。

従って、その場合には、先程お話した「うちの会社は、みんな本当にコミュニケーションが良く取れていて、みんな本当に協力して一生懸命やってくれる。それが、うちの会社の強みです。」といった考えを変える必要もあるかと思います。

繰返しになりますが、テレワーク 在宅勤務は、まだまだ新しい働き方の形態です。

そのため、その導入に伴って、いろいろな問題が出てきますので、必ずそれを解決していく必要があります。

そのためには、通常の労務管理あるいは労働という概念からの切替えも重要なポイントとなってくるかと思います。

まとめ

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テレワーク 在宅勤務については、新しい働き方となるため、まだ労務管理に関しても確立されていないところがあります。

ですから、実際、どの会社もテレワークを始める場合に、やってみなければ何が問題か?というところが、正直分からないというケースも多いのではないかと思います。

私は、テレワーク 在宅勤務を導入する場合に、重要なキーワードとして「トライ&エラー」があると思います。

テレワーク 在宅勤務を始める前までに、出来る限りの検討材料を洗いざらいにして問題点を解決しておくことは、もちろん重要ですが、先程もお話しましたように、実際に行ってみなければ、どんな問題があるのか、分からないという面も正直あると思います。

ですから、テレワーク 在宅勤務を導入後、定期的にテレワーク 在宅勤務に従事している従業員とのミーティングが、本当に重要になってくると思います。

従業員とのミーティングを定期的に行って、現場の声を経営者 上司がしっかり聞いて、そして、またそれを改善に繋げていく。

そして、またミーティングをやって、さらに、また声を聞いていく。

繰返しになりますが、テレワーク 在宅勤務は、労務管理においてもそうですが、いろいろな面で確立されていないところがありますので、こうすれば必ず上手くいくというものでもありません。

ですから、トライ&エラー、本当に重要となってきます。

テレワーク 在宅勤務を導入していく際には、ご参考になさっていただければと思います。

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